Insights — 設計
研修の「谷」を設計に組み込む。満足度は Day7 で必ず下がる
海外研修の途中で、学生の満足度はいちど下がります。それを失敗ではなく、学びの山場として設計に入れる。キミタビの日ごとの満足度の記録から考えます。
文:株式会社IMPACT ASIA
キミタビでは、参加者が毎日、その日の満足度を10点で記録します。2026年夏の平均を日ごとに並べると、まっすぐには上がりません。
| 日 | 満足度の平均(10点法) |
|---|---|
| Day1 | 8.6 |
| Day7(企画づくりの山場) | 7.6 |
| Day10(発表に向けて) | 9.0 |
なぜ下がるのか
Day7 前後は、チームで企画を立て、審査を受ける時期です。審査に通らなければ、その日のうちにつくり直します。疲れが出て、チームの意見がぶつかり、思っていたように進まない。満足度が下がるのは自然なことです。
下がる時期を、避けずに入れる理由
研修の満足度だけを上げたいなら、うまくいかない場面を減らせば済みます。けれど、学生が「自分で考えて動けた」と感じるのは、うまくいかない時期を越えたあとです。私たちは、この停滞を避けるのではなく、対話・振り返り・実践を通して乗り越えるところまでを、13日間の設計に含めています。
谷の時期に、運営がすること
- 毎日の記録を読む:学生は毎日、学び・満足度・体調を記録します。スタッフは翌朝までに全員の記録を読み、気になる記述のある学生に直接声をかけます。
- チームの進み具合を見る:つまずいているチームには、答えではなく問いを返します。
- 谷が来ることを、先に伝えておく:出発前に「途中でいちど落ち込む時期がある」と知っていると、学生はその日を「失敗」ではなく「いま谷にいる」と受け止められます。
学校で研修を企画するときに
研修のアンケートが帰国後の1回だけだと、この形は見えません。毎日の小さな記録を残しておくと、どこで学生がつまずき、どこで越えたのかが分かり、次の年の設計に活かせます。
